HAGURE OTAKU DAYS

積極的に堰を切っていきたい

DDベイビーズ朔太郎さんへ

この文章を書いて公開することに、意味があるのかどうかなんて今頭にありません。
 
 
あなたが、「研修生を辞退する」という決断をしたことで、どうしても何か書き残したくなりました。
 
ただの自己満足ですが、何かと心にため込んでしまう性分の私が、こうやってブログなどという手段で表面に出したのは「こうしなきゃ」という強い気持ちによるものです。ファンとして全然なんにもできなかったし、現場にも行けなかったことからどんどん「私なんか何もいう資格ない」って気持ちになってたんですけど、もう今だから全部言わせてください。
 
 
今更、とか、思うけど。
今しか、もうないと思うから。
 
 
実は私、こんなブログを前にも一度書こうとしたことがあります。あなたがファイナルオーディションに落ちた、そのすぐ後のことです。このままあなたの姿が見えなくなることが嫌で、どうしても引き止めたくて、でもあの時はどこにも所属していなかったし手紙を出そうにもどこに書くべきかわからなくて、ブログに下書きして、流石に公開するのは恥ずかしすぎると思いとどまって結局消したのですが。配信を初めて見てから、たった1ヶ月半ほどしかたっていなかったのに、見えなくなってしまうのが信じられないくらい怖かった。あの時の気持ちを思い出しています。
 
研修生になることを決めるまでのあの静かな時間。
 
あの時すでに、あなたがアイドルじゃなくても好きだ。と思いました。
 
でもあなたがアイドルを目指している以上、そんなことを言ってはいけないと思いました。決して簡単ではないその道を上っていくその姿を、少しだって減速させたくはなかったから。
今言えるのは、悲しいけれど少しうれしいような不思議な気持ちです。「アイドルだから、アイドルを目指しているから」あなたが好きな訳ではありませんでした。あなたが好きだから、あなたの夢を応援したかった。一緒にその先を見たかった。これからだってずっと、あなたが好きだ。何をして生きるにしたって、しあわせを全力で応援します。
 
何故こんなに好きになったのか、推そうと思ったのかを思い返してみています。
初めてエントリーされた動画を見た時、綺麗な人だと思いました。造形的に美しい顔なのは確かだと思います。でも別に好みというわけではなかったし、「なるほど」みたいな感じでした。情報の一つとしてそれがあったように思います。
多分、ちゃんと興味を持ったのは配信の録画を見た時。
私は全体的にオーディション参加者をチェックしていたので色んな人の配信を見たけれど、合う合わないが実際はっきりと出ることに驚きました。声の温度、話すペース、選ぶ言葉に表情、返事一つでわかる基本的な人に対する姿勢や、自分自身への感覚。ただ1時間なり30分なり配信する中にこんなに情報が詰まっているなんて。
元々朔太郎さんはクールでとっつきにくそうに見えていました。なのに配信の始まりはいつも犬のぬいぐるみ(めっせんじゃー先生という名前付き)だけが暗闇にぽつねんと浮かんでいたり、いったい何歳なんですか?と質問をあびるほどの懐メロ熱唱だったり、心をざわつかせるようなエキセントリックな導入。かと思えば話し方はおっとりとしていたし、ひとりひとりマイペースに、コメントを読み上げる丁寧な向き合い方は謙虚で常識派のように思えました。社会人で、地方に住んでいたのをすべて変えて当時はっきりしなかった制度のDD研修生になるのは並大抵の覚悟ではなかったと思います。
 
可愛いものが好きなところが可愛かった。
ひとりだとよく喋るのに、人と居ると静かに見る方に回ってしまうところも。
大勢の中で前に出ていくタイプでもないけど、人を傷つけるようなことは言わない優しいコミュニケーションの取り方をしているのが安心できました。
でも面白い人で、オリジナリティに満ちた創意工夫があるし、ファンの人の望みは出来る限り応えてくれた。でも、もしかしたら不完全なままの自分を見せることには抵抗を感じていたのかも、なんて思います。
感情をストレートに表に出すタイプではなかったけれど、自然な笑顔が素敵でした。涙を見せることに抵抗を感じるということをブログに書いていらっしゃったけど、冷徹だなんて全然思わなかったなあ。きっと今まで色々誤解を受けてきたこともあったのだと思います。
 
 
茶推しで、容姿がなんとなく似ているとかオーディションの最初から茶推しの方々から注目されていたのも知っていました。
 
でもあなたが「茶色」になった時、なぜかあまりよくない気分になりました。
 
もともと私は似ていると思っていなかったので、同一視はしていなかったし、この期に及んでメンカラが一致してしまうことで余計なバイアスというかプレッシャーがかかってしまうんじゃないかって勝手に気をもんでいました。きっと本人が決めたわけではないだろうに、なぜか責めるかのような意見をいくつか見かけたりもしました。よく知りもしないのに、どうしてそんなことが言えるんだろうと憤りさえ感じました。
でもあなたは「期待に応えよう」と頑張る人だし、自信がないことでも言葉で少し大きな目標を言ったりして自分に発破ををかけるようなこともある人だと思います。もらったポジションについてどう思っていたのかはわからないけど、憧れの人への道って、名誉だけれど「研修生」の段階だと気負うところが大きすぎる気がしました。
じゃあ別の色がよかったのかって言われると、よくわからないんですけど。とにかく誰かと比べるとか並べるとか、そういうことじゃなく、ただあなたがあなたであることが好きでした。それが揺らいでしまうような気がしました。
 
今年の1月20日を最後に、あなたの日常のツイートが途絶えました。
 
それまでとても頻回という訳ではなかったけれど、1週間音沙汰がないと、徐々に不安になってしまいました。私はきっと忙しいんだ、下手に騒ぐと逆に迷惑をかけてしまうかもしれない、とTwitterでは我慢していたけれど、2月の初旬には顔を合わせたオタク仲間さんに次々と相談するほどに落ち着きがなくなりました。
「お休みをいただく」という旨のツイートが上がったのは、その夜のことでした。「なるべく早くまた皆様の前に姿が披露できたら」とあったけれど、その時から心のもやもやは濃くなるばかりでした。
何か活動について悩んでいるんだろうか、いやもしかしたら家族や友人にのっぴきならないことが起こって帰省しているのかもしれない。それとも私生活で忙しいことが増えたとか?それとも…、何度振り払っても、「このまま辞めてしまうのではないか」という考えがふとした拍子に浮かんできます。あなたのいないステージの映像は、キラキラした皆の笑顔とは裏腹に痛みを感じるほどに胸を締め付けられました。
 
 
思い返して見ると2年は長かったなあ。
 
待ってただけの私ですら長かったんだから、きっとあなたは、もっとそうだったのではないでしょうか。いつ心の底から「おめでとう!!」って言えるその日がくるのかなって、ずっと待ってました。こんなに長いだなんて、思わなかった。(今もまだ先がわからないですし)
あのオーディションのweb投票って制度はとても大変だったと思うんです。全てぶつけて一度落ちた経験は絶対に軽いものなんかじゃないと思います。私の中ではファイナルオーディションの日は未だに「運命が分かれた日」のまま。
そんな頃から研修生になって、ずっと頑張ってたのを見ていたからどんな人が後から入ってきても、やっぱり一番に報われて欲しいって思ってました。
あなたには間違いなく魅力があります。web投票の時、何度もあなたに投票しました。毎回違う言葉を添えて。人を引き付ける力を持っているし、ダンスだって歌だってすごくかっこよくてセクシーだった。私はそう思って見てきたし、それは今も1mmだって変わらない。どうしてだろう。長すぎたのかな、何が違ってたらもっとこの時間を一緒に待てたんだろうか。
 
色々憶測は尽きないけれど、あなたは2年もの間、たくさんがんばったんだと思います。
そう信じられるのが唯一の救いだなと思います。
 
と言いながらも、その長い時間の中で一度も私があなたのパフォーマンスを生で見られなかったこと、そして特典会で言葉を交わせなかったことは、誰がどう思うとかに関係なく「申し訳なかった」と言いたくなってしまいます。今どんなことを言ったって、行かなかったことは変わらないし、どんな事情があるにせよ全ては言い訳で現実は「見られなかった」という事実があるだけ。当然私が行ったからと言って何か変わったわけではないのも、重々承知しているけれど、そこについてはオーディション時期からきっと見に行くと言い続けていた自分への不甲斐なさもあり、出てくる言葉としては「申し訳ない」に尽きます。
 
ごめんなさい。
嘘に、なってしまいました。
 
地方に住んでいるとか、時間も体も全然思うように空かないこととか、せめてあなたが「アイドル研修生」ではなく「本物のアイドル」になったら、その日にはきっと、どんな手を使ってでも、ゴリゴリの無理を通してでも、その場に居ようと思う事でぎゅっと目をつぶってごめんなさい、と何度も繰り返していました。
アイドルには卒業がつきもので、グループはいくら見た目の結束が強く見えても脆く解散の可能性を常に孕んでいるものだとどこかで常に怯えていますし、研修生はもっと儚いいつどうなるかわからない存在だと思っていました。
「推しは推せるときに推せ」というのは骨身にしみてよくわかっているつもりだったけど。
ブログが上がった夜、私はびっくりするくらい泣きました。
いい大人が、ぐずぐず言いながら涙を流しました。そしたら頭が割れんばかりに痛くなって、鼻水をかんだら今度はティッシュを何枚も赤くするくらい血が出て、ちょっと気持ち悪くなってトイレにかけこんで胃をひっくり返して、もう、ぐちゃぐちゃになりながらベッドへ倒れこんで寝ました。なんだかすごい悪夢の中にいるみたいでした。夢だったらよかったのになって思って次の日起きたら顔がぱんぱんに浮腫んでいて。
 
私自身が悪夢の体現みたいになっていました。
どうぞ笑ってください。
 
やっぱりどんなに嫌だと思っても、結論はもう最初から出ていて。
推しにはやっぱり人生を幸せに生きて欲しいわけです。後悔だとか申し訳なさとか納得が行っていないとかそういう話とは別次元でそれはもう一貫してある思いなんですよね。いや、本音を言うなら暴れたいですけど。やめないでって叫びたいですけど、「アイドルになりたい」ならそれを応援するし、「研修生をやめたい」なら、もうその先にある人生がよきものであることを願うしかない。
極論生きてるし。実体がなくなるわけじゃないし。この世のどこかで、ちゃんと息をしているのであれば。できればアイドルで幸せになってほしいって思ってたけど、実際裏事情も知らないのでアイドルになることが幸せだなんて言えないですし。
私が途方もなく悲しいのはしょうがない。笑顔には遠いし、しばらくこの悪夢からは抜け出せる気はしませんし、心に空いた穴が塞がることはないと思いますけど。知ってしまった時からそれはいつかくる日なのでしょう。
 
私の好きの種類的には所謂リアコとかにもしかしたら近かったのかもしれません。接触が死ぬほど苦手な人間が、何かそういう恥ずかしさなど全部飛び越えてとにかく人間として実際にお話をしてみたいと思ってました。アイドルのファンとしては烏滸がましい望みだったと思うのですが。
あなたの絵を描くのが好きです。綺麗な人だから好きというより、好きな人が綺麗な顔をしているという感覚でした。拙い技術ですがどうにか「好きなところ」をなぞりたくて何枚も描きました。これから表に出すことはできなくなるかもしれないけど、たまに描くかもしれないと思っています。
 
 
名前を書いてもらったチェキ、ありがとうございました。
きっと色んな思いがありながら、書いてくれたことと思います。ずっと宝物にします。
 
 
コロナウイルスの騒動が終息したあと、イベントが行われるようなったら改めてなんらかの挨拶があるそうなのでまだその時を待てることに感謝をして。
 
 
いったん、指を止めます。